「海翔はさ、まだ奏汰のこと、“奏志郎”って呼んでるの? 奏汰は海翔って呼んでたのに。」 「俺の中では、あいつは奏志郎なんだよ。 今までも。これからも。」 「そっか。 じゃあ、これからも“奏志郎”?」 「そうだな。そう呼ぶと思う。」 「…ふーん。」 会話はそこで終わり、星樹たちを無言で待った。 でも、無言でいても、居心地が悪くなることはなかった。