「全力で。」 「おう。」 そこからはもう、とにかく必死だった。 かかってきた敵は、動けなくなるくらいにまで殴り飛ばした。 涼しい夜なのに、身体は熱をおびている。 途切れ途切れの呼吸。 したたる汗。 血まみれの拳。 早まる鼓動。 気づいたときには、足の踏み場がないほど、人が倒れていた。