黒薔薇





あたしはそのとき、ふとあることを思い出した。


「ねぇ奏汰。
“黒薔薇”って覚えてない?」


「…“黒薔薇”?」


「うん、そう。
このタトゥーに見覚えない?」


あたしは服を引っ張って、胸元の黒い薔薇のタトゥーを、奏汰に見せた。


「…見たことある。」


「ほんとっ!?」


「ああ。
“黒薔薇”っていうのにも、聞き覚えがある。」