▼リセット。





「………涼…ちゃん?」







さっきより強めに揺らしてみる。




それでも返事がないから軽く肩を叩いてみた。





…おかしいな。





涼ちゃん、寝起きはいいはずなのに。




じわじわと私を支配していく不安と嫌な予感から逃れたくて。





そんなはずはないって必死に否定したくて。





力いっぱい、彼の肩をゆする。





「涼ちゃん?…涼ちゃん!」





うるせえ、と怒鳴ってくれることを祈りながら、



声がかれてしまいそうなほどの大声を、何度も何度も繰り返し上げる。









ーーーーーーー返事は、ない。








「涼…ちゃん……」






17時はもう過ぎたよ。






もう、大丈夫だよ。





声をかけてみる。またゆさぶる。




ぐらりと力のない首が、物みたいに後ろに倒れた。





うるさいほどの動悸が胸を打つ。じりじりと足が自然に下がった。






―――――息、してない。





「…はは、





何それ」





乾いた笑いを喉から上げる。




やっと安全なルートを、正解を見つけたと思ったのに。




涼ちゃんは誰の所為でもなく、眠るように死んじゃった。





神様がずっと狙っていたかのように、静かに涼ちゃんの命は消えた。