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首元から、何かがほどけた。
ガシャンとガラスのようなものが砕ける音が耳底を揺らす。
少しだけゆらいだ意識、するりと私の顔に乗っていたものが、
お腹の上に軽い音とともに落ちて。
「……ん」
ゆっくりと瞼を開けば、鎖のきれた懐中電灯が私の足元で割れていた。
肩にずっしりと感じる重みに、砕けた硝子から目をそらして
ゆらり、横を向く。
まぶたをとじて私にのしかかる涼ちゃん。
さっきまで私の顔の上に乗っていたはずの手は、それなりの重量をもって私の膝を圧迫し始めていた。
…涼ちゃんも、寝ちゃったのか。
回らない頭で、せめて涼ちゃんを布団に寝かせてあげようとゆっくり彼の肩をゆする。
「ねえ、涼ちゃん。
ちょっとだけ起きて」
揺らした肩。
がくり、バランスを崩した涼ちゃんはまるで人形みたいに私の肩にのしかかった。
だらりと垂れた手は意志というものがないように、私の足の上でゆらゆら揺れる。

