私が泣いてしまったせいで、そのままになってしまった涼ちゃんの言葉。
告白には、返事が必要。
そんな単純なことすら、あの状況下では忘れ果ててしまっていて。
幼いころからずっと欲しかった言葉なのだ。
答えはもちろん「はい」。
でもまだ涼ちゃんが助かっていない今、その返事をしてしまうのはどうなのか。
どうせ返事をするのであれば、すべてが終わった後がいいのではないか。
気兼ねなく想いを伝えてしまいたい。
伝えた後待っているものは、幸せのみがいい。
望めば望むほど、その返事は喉元をコロコロ転がるだけで。
でも、やっぱり今言いきってしまいたくて。
迷いに震える唇を、ほとんど無理やりこじ開けていく。
…と。
「…やっぱいい」
「んむぐう!?」
ちょうど「は」を発しかけたと同時、
彼の呟くような言葉とともに、唇に押し当てられた冷たい指。
それはまるで、私の唇の小刻みな震えを止めてくれるかのようで。
「悪り、
やっぱ今はいいや」
「…へ?」

