▼リセット。





私が泣いてしまったせいで、そのままになってしまった涼ちゃんの言葉。




告白には、返事が必要。




そんな単純なことすら、あの状況下では忘れ果ててしまっていて。






幼いころからずっと欲しかった言葉なのだ。




答えはもちろん「はい」。




でもまだ涼ちゃんが助かっていない今、その返事をしてしまうのはどうなのか。




どうせ返事をするのであれば、すべてが終わった後がいいのではないか。





気兼ねなく想いを伝えてしまいたい。



伝えた後待っているものは、幸せのみがいい。





望めば望むほど、その返事は喉元をコロコロ転がるだけで。





でも、やっぱり今言いきってしまいたくて。



迷いに震える唇を、ほとんど無理やりこじ開けていく。




…と。




「…やっぱいい」


「んむぐう!?」








ちょうど「は」を発しかけたと同時、




彼の呟くような言葉とともに、唇に押し当てられた冷たい指。



それはまるで、私の唇の小刻みな震えを止めてくれるかのようで。







「悪り、


やっぱ今はいいや」



「…へ?」