「…まあ、そうと決まればまずは…これだな」
少し私の表情が緩んだのを確認してか、何かを探すようにきょろきょろと辺りを見回した彼は、ふいにあるものを手に取った。
かぽ、と音を立てて被ったのは、中学校の時に私が使っていたピンクのヘルメット。
「…何それ」
ハートのシールなんかで装飾されまくったそれと涼ちゃんのミスマッチさたるや。
「何って…防御?」
「小学生か」
おどけたようなやり取りに二人して顔を見合わせて、少し間が空いた後、示し合わせたように吹きだした。
久しぶりに、思いっきり笑った。
*
ハートのついたヘルメットでひとしきり笑い終えたのち。
「お前の家にいりゃひとまずは安心だろ」と、
涼ちゃんはあたかも自分の家のように床に腰を下ろしてため息をつく。
あまりにも見慣れて、でも懐かしく感じるその光景に自然と頬が緩んだ。
「ねえ、涼ちゃん。
私さっきさ、涼ちゃんと初めて会った日の夢見たよ。5歳か6歳の時だっけ?
確か、私が猫助けようとして木から降りられなくなったのを助けてくれたんだったよね」

