「――――涼ちゃ」
「ふざけんな」
荒く低い声音と反比例して、背中に回された涼ちゃんの手はどこまでも柔らかで。
さえぎられた言葉に重ねて更に彼は言の葉をつむぐ。
「…ふざけんな。
関係ないもクソもねえよ。
もしかしたら、これは俺に聞かれたくない話なのかもしれない。
そこに無理やり踏み込もうとしてることは謝る。
でも、俺の前でそんな苦しそうな顔されて、放っておけるわけないだろ。
…ガキの頃から好きな女がこんなに辛そうにしてるの見て、はいそうですかって流せるわけがねーだろうが!」
そしてまた、思考は止まる。

