「オイ、起きろ!」






じりりとなる目覚まし時計、10時19分の日付表示。







涼ちゃんはやはり生きてそこにいて。








学校が終わったあと、教室で勉強を教えてもらう。







涼ちゃんの部活が終わるのまで待ち構えて、無理やり居残った17時。








落ちたタオルをつかもうとして涼ちゃんは3階の窓から落ちた。






下にいたテニス部員の女子が一人巻き添えで死ぬ。






手は、掴めなかった。






――――――――リセット。










「オイ、起きろ!」





やり直した19日。

涼ちゃんの部活が早く終わるのを前と同じように待った。







車も来ない、落ちることもない。




学校の端に建てられた体育館の入り口で、涼ちゃんと他愛ない話で談笑してみる。








近頃出ると注意喚起されていた不審者がナイフをもって、私と涼ちゃんをめった刺しにした。






鋭い痛みが横腹を焼いたと同時、耳に残響する17時のサイレン。








死者は6人、
刺されて助かったのは私だけだったと病室のベッドで看護婦から聞く。








――――リセット。