熱を持つそれに目をやって、ひきつっていく口元の感覚を忘れる。










『涼ちゃんが私を助けた?』









いや、と喉から漏れた声。


頭を抱えて何度も叫ぶ。


私の所為だ。
私が、こんなところに来なければ。




胸元の時計が熱を持つ。



運命を変えなきゃ。




こんなのはだめだ。
間違った。






私が間違ったんだ。







――――私が、涼ちゃんを助けなきゃ。








馬鹿にするように童謡を流す時刻放送。






割れたスマホに浮かぶ時刻は、ちょうど17時00分をさしていた。