…ただ、
私のお腹が鳴らなかったせいか涼ちゃんは飴をくれなかった。
代わりに机の上には、小さな紙が投げ込まれた。
一回目とはちがって、綺麗に折られたノートの切れ端。
「大丈夫か?」とたった一言書かれたその紙に、
ふっと口元が緩むのを感じる。
「心配性すぎ。」と余白に書き込んで手紙を投げ返したと同時、
前方から先生の怒鳴り声。
いちゃつくな、という見当はずれな怒りに皆のクスクス笑い。
嬉しさと恥ずかしさでうつむいた。
のに。
(…え。)
前髪越しに見えた涼ちゃんの顔はほのかに赤く染まって見えて。
思わず手から滑り落としてしまったシャーペン。
ぎょっとして確認しようとした途端、
ふい、とそっぽを向いてしまった。
あれは照れてるだけなのか、
それとも、もしかして。
―――そういう、事なのだろうか。

