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本当に大丈夫か、としつこいくらい確認された後、
ようやく学校に行くことを許可してくれた涼ちゃん。
いつもならバスを降りたらさっさと行ってしまうのに、
まだ私の具合が悪いと疑っているからか、
今日に限って気づかわしげに私に歩調を合わせてくれる涼ちゃんのやさしさに、
胸がギュッと締め付けられた。
ゆっくりと重なる足音を聞きながら、
もう失いたくないと何度も思った。
時をさかのぼったという私の予想を裏付けるように、
ほとんど全てが私の知る「一度目の」10月19日と同じ。
体育で友達が突き指をしてしまうのも、
先生が2限目に皆が引くような大音響でくしゃみを繰り返したのも
全部の授業の内容も、
休み時間に皆が嬉々として話す会話の内容も、
4限目の英語で抜き打ち小テストがあったのも。
全部、全部
既視感だらけ。

