「おばさんか母ちゃんに…
いや、今どっちもいねーか…っ」
こんがらがって爆発しそうな頭をめまぐるしく整理する。
私の様子に慌てふためく涼ちゃんは、
ホントにホントの本物で。
半ば抱きかかえられるようにしてあてられた手は温かい。
ーーー生きている。
そして今日は10月19日。私の知るその日も確か、
涼ちゃんは8時ピッタリに目覚ましを止めに来た。
―――…夢じゃ、なかった?
本当に私は涼ちゃんの死を変えられる?
普通ならだれも信じられないような夢物語。
笑い飛ばされるか、心配されるか。
気でも違ったかと病院に連れていかれるくらい突拍子のない事。
私だってこの見覚えのない懐中時計がなければ、涼ちゃんが死んだことのほうが
夢だったのだと錯覚するだろう。
だって今、彼はこうして私の目の前にいるのだから。

