*
「…おそっ。」
午後7時半。
時計をちらりと見てはまだならないチャイムに思いを馳せる。
どうしたんだろう。
先輩たちと長引いてるのかな。
元々約束してた時間より30分も遅い。
冷めていくオムライスを横目に
何とも言えない感情を心の中に入れ込んだ。
「もう先食べちゃうよ~?」
部屋で寂しく独りごちても、返事などあるはずもなく。
「いいの?食べるからね?」
何も言わずに食べてしまえばいいものを長年の刷り込みの所為か、
どうにも勝手にスプーンを進めることができない。
そういえば、
約束してるときは片方が来るまで待つんだぞ、と教えてくれたのは涼ちゃんだったか。
私が小学校で居残りさせられた時も箸もつけず食べるのを待ってくれていた。
「…遅い。」
結局スプーンをそれ以上進めることはできず、ぐりぐりと卵の端を未練がましく破く。

