▼リセット。










「おはよー」



「あ、おはよ」




2-3の教室の扉をくぐれば、みんなはやっぱり覚えている限り同じ位置で同じ話をしていて。




テレビのこと、


家族のこと、


趣味のこと、


面白かったこと、


恋の話。





「でさー、理子が吉田君のこと好きっていうから、こうしたらいいよってアドバイスしてあげたのにさ~」






他愛ない話をする友達の声に、久しぶりにまともに集中した。








「…あ、でも七海はいいよねー。



涼君っていう幼馴染がいて。


バスケ部時期エース、顔よし成績よし!狙う女は数知れず!




…それなのに脈ありありじゃん」







不意に回ってきたコイバナのお鉢。



力説とともに拗ねたふりをして机につっぶす友達に、ふふ、と笑い返した。





いつもなら「え、そんなことない!」と慌てて否定する私のそんな反応が物珍しかったのか「あれ?」と声をあげて私の顔をまじまじ見る。





そんな彼女の薄茶の瞳を見据えて、私はそっと口を開いて。








「うん。脈云々は置いといたとしても、



私は涼ちゃんと幼馴染でよかったよ。」






「ーーー私、涼ちゃん以上に好きになれる人なんていなかったと思うから」