「南ちゃん今晩夜勤?」


朝食を取りながらのそんな会話。


龍くんは朝からボリュームがある食事。本職としてサッカーやってるから、体を作るためにはバランスの取れた食事が大切なのです。

「うん。朝いつもの時間に電話するから頑張って起きてね」


私が夜勤の時は、龍くんは一人で起きて練習に行かなきゃいけない。一応目覚まし3個がけプラスモーニングコールはするけど、何回も二度寝しちゃって遅刻寸前てことがあって…ちゃんと起きれるか少し心配です。



「あはは。自信ないなぁ♪」

「笑い事じゃないよ。まだ新人なんだから時間はきちんと守って周りから信用されないと」

「うん、そうだね。ごめんなさい」




目を細めてニコッと笑う。爽やかスマイルだなぁ……爽やかって言うと嫌がるけど。

この笑顔で入社してから、着々とファンを増やしてる龍くん。

この前たまたま用事があって練習場の側を通ったら、龍くんを黄色い声で応援する女の子の集団を発見。

人気が出て嬉しい反面、龍くんは私のものだぞってヤキモチもあって、正直ちょっぴり複雑だった。
でもそこは、年上の妻(照)としては我慢すべき所だと思う。そして同時に喜ばしいことだと思うことにした。




「ところでさ、南ちゃん朝ご飯それだけ?」


龍くんが眉をひそめる。
龍くんの朝食は肉や魚や野菜が所狭しと並んでいるのに対して、私の手元にはコーヒーとトースト1枚。



「いくら夕方から勤務でも、軽過ぎない?ダメだよもっとちゃんと食べないと……まさかダイエットしてんの?」

「してないよ。ちょっと食欲ないだけ」


私の言葉に心配そうに席を立って近付いてくる。


「大丈夫?具合悪いの?」



オデコとオデコをくっつけられる。

わっ、顔が近いっ!