「ただいまから入学式を始めます」
 うわぁー校長先生だ
 やっぱり校長先生はハゲだったね。
 頭がキラキラ光ってる。

「ハートあんたなにボーとしてんの!?
まぁーいつもだけど。」

いつもってひどいなー若菜ちゃん

「次は新入生生代表だよ!」
「その人頭いいのー?賢いのー?」
「あたりまえじゃん! トップで入学してきた子だし」
ふーん
すごい人なんだねー
あんまり興味ないなー

でも私は


次の瞬間私は王子様に恋に落ちた




と言うより私は落ちた瞬間何が起こったか
すぐに分からなかった。




黒く 深く 吸い込まれそうな大きく漆黒の目、
ふわふあと少し天然パーマがかかった綺麗なまっくろな髪

足が細くて背がすっごく高くて王子様みたい


胸に響きどーんと耳に残る声透き通る声

まるでみんなと違う言葉を喋ってるみたい

彼の名は






栗原 蓮(くりはら れん)

「この子が新入生代表かこの学校のトップか...
ってあんたなんで、泣いてんのよ!!」

自分でもなんで泣いてるのか分からなかった。
悲しくもないのに、

なんでだろう涙が止まらない。 

若菜ちゃんから借りたハンカチはジャスミンの香りがした。
このハンカチ若菜ちゃんぽくないねっ
って言ったらうるせーってほっぺひっぱられちゃった。

痛いの我慢しながら私は若菜ちゃんに言った。



王子様見つけちゃったよ


言った瞬間若菜ちゃんは口への字に曲げ
げっってかんじで私を見てきた。