有町明日架(アリマチ アスカ)、16歳。

どうせ期待なんてしていない。

重い気持ちで、転校先の新しい学校の門をくぐる。



「櫻葉高校へようこそ!!」


出迎えてくれたその人は


「…!?」

ロリータ!?

見た目20代後半くらいの綺麗な女の人。

ふりっふりのロリータを着て、

こっちに微笑みかけている。


なんで学校にこんな人が…


「あ、遅れました!
私の名前は魚留千紗(ウオドメ チサ)。
みんなからは、ウォッチって呼ばれているの。
あなたのクラスの担任よ。よろしくね。」



先生!?

この人が!?


アリエナイ………


「あ、有町明日架です。
…よろしくお願いします。」


渋々私も頭を下げる。

ロリータ先生…いや、ウォッチは急に眉を下げた。


「ところで有町さん、あなた、病気みたいね。」


はへ??

病気??


「いえ、元気です。風邪もここ最近ひいてないし…」


「そうじゃなくて、心の病気よ。
ここには病院もあるの。
一度行ってみましょう。」



心の病気…??

学校内の病院…??



「確かに、私は前にいた学校でいじめられてて、その記憶は凄く残っています。
…でも、大丈夫です。
友達なんて、いなくて平気ですから。」


「そんな風に諦めてはダメ。
楽しく生きることが大切なの。
ほらほら!行くわよ!」


ウォッチはそう言って、私の手をひく。

されるがままにされる私。

やっぱり帰りたい…。

わけがわからないこの学校…。