本当に仲のいい兄妹だ。あたしには兄も妹もいないから心から羨ましい。
葵は届いたピザを受け取りに行くと、二階の妹を呼んだ。
なんのかんの言って、一緒にピザを食べる気なのだろう。小皿と端を葵は三人前並べていた。
あたしは出前のピザを目の前にして、お腹が空いていたことを思い出す。
溶けそうなチーズにごくりと唾を飲んだ。
二階から降りてきた夢香は、呆れたような眼差しを葵に向ける。
「デートに妹を呼ぶって、男として最低なんじゃないかしら」
「いいんだよ、別にデートじゃないんだから」
否定する葵に同意するためにあたしは頷いた。
夢香はあら、と残念そうな顔をしている。
小首を傾げる仕種までお嬢様という身分に相応しい様子で、あたしにはとてもじゃないけど真似できなかった。
葵と二人並んでいる姿は、そのままドラマにでも出てきそうである。



