呆然としている男子生徒を置いて葵は立ち上がる。傷は思った以上に深く、三宅のタオルが赤く染まっていった。 「待てよ、俺がタクシー拾ってくるからそこで待ってろ」 三宅が慌てて葵を引き止め、裏門から走っていった。 葵は鞄を左の脇に挟んで、のろのろと歩く。 後ろの様子をちらりと伺うと、男子生徒は先ほどと変わらない様子で立ちすくんでいた。