志はぱっと下を見て、ピンク色のものを見つけた。 それは顔くらいの大きさの鏡だった。 (なんでこんなもん落とすんだろう。危ねえなあ。) そっとそれを手にして、何を思ったのか志はそれを持ったまま教室へと向かった。 (あ、あれ…私のじゃないかな。なんであの人が…?) …誰かが見ていたとも知らずに。