学校は夏休み前と、なんら変わりなくそこにたたずんでいた。 3年生は、強豪であるサッカー部以外はみんな部活を引退していたから、学校に来る用事なんてない者はない。 久しぶりすぎる学校。 久しぶりすぎるみんな。 那は気持ちが弾んでいた。 「おっはよー!」 教室に入って元気よく挨拶をした。 しかし、そこには元気よく返事をしてくれる人はいない。 …教室には静かな…そして雰囲気の悪い空気が立ち込めていた。