私には、志に言えない秘密がある。

自分の感情を優先して、彼の気持ちを無視したの。


こうしてしまったら彼が傷つくことはわかってた。

でもね…悪魔のようなあの男の囁きに、私は勝てなかった。



志がいなくなったら私はすぐに考える。

いつ…



いつ…

時がやってくるのだろうと。



あの男が迎えに来る時はすぐにやってきてしまうはず。




私が、私が…万が一口を滑らせたりしたら、きっと私は志を傷つけるだけでは終わらないはず。


口が裂けても言えない秘密。


でもこの秘密は、一人で抱えていくには難しすぎるの。



志の笑顔がたまらなくさせるの。

言いたくなる。



あなたが昨日、未来であろうこの世界に来たとき私はそれを知っていたし、私の顔を見て名前や私についてのいろんなこと、そして未来の現状を思い出していくことも…本当はわかりきっていたの。



だって私は、待っていたから。