それ一瞬のたった一言だったのに。
私の心臓を破壊するには十分すぎる言葉だった。
40分もこの人の隣にいるのは、――心臓が持ちません。
「私も紡さんや新さんの笑顔がもっと見れるように仕事頑張りますね」
当たり障りのない返事をして、へらっと笑うと紡さんは溜息を吐いた。
「残念。色気のない展開に、貴方の恋愛経験のなさが伺えてしまいます」
「なっ 別に良いじゃないですか!」
確かに恋愛らしい恋愛はしたことが無いけれど、そんなこと言われなくても分かってるんだから。
「だからこそ、君が良いのかもしれませんね」
その言葉に思わず頬を染めそうになって、すぐに紡さんから目を逸らす。
逆に女の人に慣れてるだろうこの人の手玉に乗らないように、『最後尾』の字を睨みつける。



