嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?



「薔薇を四色で塗るなんて素敵ですね」

紡さんが何かの儀式かのように、ハンカチを手に取ると口づけた。

「そ、そうですか。私は影は赤、光が当たるところを薄ピンク、ピンクと分けただけで」
「じゃあ、水色に塗った部分はなんだ?」
「それは、朝露です。朝露に光る薔薇を祖母が美しいと言っていたので」

――私の秘密が二人にばれてしまった。
別に口止めされたわけでは無かったけれど、お婆ちゃんが田舎で過ごしている間、時々思い出したかのように溜息をつくのは、目が悪くなったから仕事を止めたのだと子供心に気付いていた。
この仕事をお婆ちゃんが引き受けた時、目が悪くなったことがばれないように私が守ってあげようと思ったんだ。
「あの、私が色を指定していたとかは、祖母の経歴に傷が付いたら嫌なのでどうか秘密でお願いします」

二人は急に黙りこんでしまった。
尊敬するデザイナーの色を私が塗っていたなんて知ったから、きっと失望しているんだ。

「二人には本当に申し訳ないことをしましたが、私はおばあちゃんに元気になってもらいたい一心で、だから、お婆ちゃんは悪くなくて私が――」

「別に悪いとは言ってないだろ」