ペタペタと床を歩く音と、スリッパの音が頭の上を何度も通過していく。
此処、何処だろう?
ぼんやりとした意識の中、顔を上げると目を見開いた。
モデルルームのような、広いリビングが視界に入って来た。
リビングとキッチンと、そして広く大きな天井?
真っ白の壁や窓辺。
窓辺に座り、紅茶を注いでいるシルエットは、もしや――新さん?
いやいやいや、まさか。
こんなに白くてふわふわと輝いている空間はどう見ても夢だわ。
夢夢。
「あれ? 緩奈さん起きてない?」
天井から声がして上を向くと、白い螺旋階段から、長い足が音もなく降りてきている。
「やっと起きたのか。たいして飲んでないくせに」
「紅茶、追加してあげなよ。おはようございます」
肩が大きく見える白いTシャツを着た紡さんが、手を伸ばしてくる。
その手が私の額に当てられた時、これが夢じゃないと気付いた。
「ええええ!?」



