嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?



「副社長の! 良かったです。字が読めなくて」
「ここ、字がわざと消されてます。悪質な嫌がらせなわけありませんね――にしてはやり方が雑すぎる」

「わざ、と――」
先ほどの四人の笑い声が聞こえてくる気がして、へなへなと座り込んでしまう。
「その様子では、心当たりあるんですね」
「いえ。良いんです。私も配慮が足りなかったから」
口元だけで笑うと、なんとか自力で立ち上がる。
「でも、副社長が来てくれて助かりました。塚本さんたちが待ってるからこれで漸く行けます!」
「そうですか。では、一緒に行こうかな」
んん――?
今、何と?

「今の君は、一人にするのは危なっかしい。ちょっと待って。荷物を貸しなさい」

台車ごと荷物を奪うと、副社長は爽やかに笑う。
その頬笑みは、この終わりが見えない作業を助けてくれた天使の頬笑みだったけれど、でも。
そんな高級なスーツで、海外帰りの副社長がビヤガーデン!?

「副社長、あの」
「その副社長って何か老けて聞こえるから止めてくれるかな? 君には紡さんと呼ばれてみたいな」