新さんと二人で作業し始めてから一週間が経って、漸く待ちにまっていた金曜がやってきた。
新さんのデザインのラフを整理しファイルする仕事と、そのラフをスキャンして媒体に保存したりと任される仕事はどんどん増えて行った。
けど、少しでもネガティブな発言をすると怒鳴られるので、緊張はやはりしていた。
これって、本当に私と新さんは婚約者(予備軍)なのか疑わしいぐらい甘い展開は訪れないし雰囲気もない。
上司とへっぽこ助手の日々が流れていた。
「俺、今日は打ち合わせに向こうの会社に行くんだけど」
お昼に、いつの間にか二人分作るのが当たり前になったお弁当を広げていたら、新さんが摘まみ食いしながら上着を羽織る。
「お前は此処で作業して定時で帰って良いから」
「あの、手伝いとかは」
「お前はまだ早い。それに――」
何か言おうとして、上着を羽織ったままのポーズで止まる。
「新さん?」
「何でもない。定時で帰れよ」
念を押して言われると、私はただ黙って頷くしか出来なかった。



