でも、あんなに美女で、編集長とか、あんな人の方が御曹司の婚約者にはお似合いだと思うけどな。
駅までダッシュするのに、低いヒールで本当に良かった。初日みたいな10センチはあるような見た目重視のヒールはもう履かない。
電車に揺られながら、スマホを取りだして早速金曜日にスケジュールを登録した。
あの御伽話の様な階段を上がった先での、次元の違うような仕事場ではまだまだ緊張してしまうから、飲み会なんて楽しみで仕方が無い。
あんな美女を見てしまったら尚更だ。
電車に揺られて15分。バスで更に10分。
家に帰ってすぐに飛び込んでくるのは、まだ土が付いたままの野菜たち。
都会の会社で働く女子としては、家に入ってすぐに田舎臭さ全開なのはどうかしたいけれど、明日も新さんが喜んでくれるならばと、ちょっとだけ量を多めに作ってみた。
こんな平凡な料理が褒められるとは思わなかったからこそ、力が入ってしまう。



