んん?
新さんの発言に、帰る用意をしていた受付の視線と、美女の視線が刺さる。
「じゃあ、この人が昨日、うちの父がセクハラしちゃった人?」
「あ、昨日の林田編集長の、娘さんとか?」
眼鏡がなかったからと言っても、昨日のおじさんの顔はあまり覚えていないけど、娘さんがこんなに綺麗だったなんて。
「俺、飯に出るから話は会社の外でいいか? 此処は注目浴び過ぎる」
新さんが周りを見回しながらそう言うと、その美女も頷く。
「分かったわ、でも先に謝らせて。ごめんなさいね。私、林田 麻里亜(まりあ)。父とは違うけど同じ会社の編集長をしているの。本当に父がとんだ失礼を」
名刺を受けとりながら、色んな視線に居心地が悪くなって思わず後ずさる。
「い、いえ、もう本当にお気になさらずに。あの、失礼致します!」
「あ、こら、不破」
新さんに止められそうになりながらも、必死で逃げる。
あんな美男美女と一緒に歩きたくないし、同じ空間にいて惨めになるのも嫌だ。



