嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?



「初めて作った?」
「そう。俺が初めてデザインしたのがコレ、これで確か色んな賞貰って、『TEIARA』を正式にうちの会社のブランドに認めてくれたんだよ、父さんが」
「その実績を積み重ねて俺が今、副社長してます」

にっこりと笑うけど、それって結構すごいことだよね。
ハイスペック過ぎるこの二人の隣にいるのがとても居心地が悪いんだけど。

「これ、可愛いですね。スーツなのにこれを付けただけでちょっとだけ変わったような気になりました」
「変わったような、じゃねーよ。変えたんだよ」
「頭に乗せるティアラは、お姫様だけのものじゃないよ。恋をする女の子を綺麗にするための宝石ですから」
「そこまで御二人が自信持っているモノを、やはり私なんかが」

駐車場の一台の車の前で、新さんの方が先に止まる。
レクサスのスポーツカーに乗ってる人なんて同世代で初めて見た気がする。
ボーっと車を見ていたら、不機嫌そうに振り返った新さんが私を睨む。

「お前、そんな自信のない発言ばっかするの止めろ。こっちまで気が滅入っちまうだろーが」