「わあ、可愛い」
青い蝶著の羽が、少し動かすだけでキラキラと動いている、
この輝きはスワロフスキーかな。
触角がシャランと鳴って揺れるチャームになっている。
首に輝く青い鳥も、小さくて可愛いし、社員バッジにモチーフが少し似ている。
上着を脱いで――ボタンを一つ開けて、肌から見えるネックレス。
社員バッジを胸より少し上の位置につけて、眼鏡を外してみる。
顔の造形は諦めるけど、ブラウスに黒のスカートで地味だけどそこまで場違いではないかもしれない。
あの会場の隅で座って休憩するぐらいは――違和感がないかもしれない。
眼鏡をスーツに入れるとトイレから出て、受付の下の紙袋が入っていた段ボールに仕舞う。
そのまま、賑やかな会場を覗くと、もう各々で飲み物や食べ物を食べていた。
眼鏡がないから目を凝らしても良く見えないけど、ステージ付近の右と左に大人数が集まっている。
きっと御曹司二人だろうとコソコソ隠れつつ、オレンジジュースを持って席につこうとした。



