嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


慌てて顔を隠すけれど、兄の方は私には視線さえ向けない。
もしや、談笑に夢中で気づいてもいないのかもしれない。

私と鈴木さんは深くお時儀をすると会場のドアを両サイドから開ける。

「ありがとう。御苦労さま」

社長と思われる白髪のおじさんは笑顔で御礼を言ってくれたが、後の二人は無視。
ちょっと感じが悪い。
この前はあんなにも紳士的だったのに。

「あの方、お酒が入るとベタベタ触って来るみたいだから、近づかないようにね」
「え、副社長ですか?」

「まさか! 取引先の林田様。若者向けの雑誌の編集長で、今度『TEIARA』とその雑誌の読者でジュエリーを作る企画があるの。去年も評判良くて。――ただちょっと林田様が、ね」

苦笑してるので意味を汲み取るしかないけど、でも私ではなくて――きっと受付の子たちの方が危ないと思う。

「ようし。本当にあと5人。朝からバタバタして疲れているでしょ? 混ざって来て休憩してきていいわよ」