「以前、落としものを拾って頂いて」
まだ返して貰っていない仲なんです、とは言えずにへらへら笑っておく。
「ちょっと怖そうですけど、新さんのデザインされるジュエリーは若い人に人気ですね。中高生向けの教育番組で顔を出してからは尚更、ヒットしてます」
ちょっとどころが怖すぎるけれど、あんな強引で怖そうな人がジュエリーのデザイナーって、逆に夢がこわれそうだけど。
「あと20人。欠席もありえそうですし、もう不破さんだけ先に中へ入っておきますか? ホテルの人が後はしますし、新さんの所へでも」
「……」
こんなスーツで、ピンクや黄色の色鮮やかなドレスの同い年くらいの女の子たちの中、一緒に居たくない。
けど、同じドレスを着ていても私だけ着こなせず浮いてそうな気がする。
スーツを引っ張りながら、やっぱり行く気にはなれなかった。
丁度エレベーターがまた開いたので、また受付に戻ると今度は鈴木さんの方が飛び出した。
「社長と副社長、そして取引先の重役様です」
「えっ」
塚本さんが先頭で案内しながら、にこやかに入って来たのは、先日の副社長とにこやかで紳士的な白髪が綺麗なおじさんとふくよかな目がギラギラしたおじさん。



