嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?

そのまま暫く茫然としたあと、塚本さんに何を言ったか覚えていない。
ただなんとか駅まで送ってもらうのを断り、ふらりと1人でまた会社に戻ってきた。

無意識に向かった先は、彼が足音が元気だと褒めてくれた、場所。

昼間の風景と夜の風景では、ちょっとだけ違う。拘って作ったそれは……お姫様になりたい女の子たちには憧れる場所かもしれない。

でも、ふらふらと目指してしまった。

携帯を強く握り締めて。
会えなくても良い。
会わなくても良い。

ただ、少しでも顔を見れば安心できる気がして……。

私は夜の静まり返った廊下を通り抜け、螺旋階段を上がった。

打撲した足の痛みなんて、全然感じられないぐらい。

それどころか、無心で登れて助かった。

登りきった後は、急に足が竦んでしまい、膝をついてしまう。


夜のオフィスは真っ暗で、中が見えない扉の向こうを力なく見上げてしまった。