嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


「踏み外して肩から落ちて行ってたけど、頭は?」
「痛くないです、多分」

「たんこぶ出来てないと良いけど」

髪の中に指が侵入してきて思わず身構える。
「ん。まあ、大丈夫だろ」

「色々すいません」
「いや、謝るのは俺の方だ。すまなかった。で、本当にありがとう」

いつも怖い顔なのに、怒ると目がきつくなって怖いのに、――そんなに甘く笑うなんてずるい。
全く似てないと思っていたけれど、笑うと目尻がそっくりな気がする。

「私、新さんのデザインが好きですし、チームの皆で作り上げたデータを守りたかっただけです」
「それでも、もう二度と危ないことすんなよ」
「はい」

言い方はぶっきらぼうだけど、でもその言葉は紡さんと一緒だ。
二人が会議中だったからとか、私の勘違いだったらとかただの言い訳だ。
私はあの時、浅はかに行動してしまったんだから、もう二人に心配をかけないように迷惑をかけないようにしないと。

「悪いがボタンを押すから、首にしがみ付いてくれるか」
「は、はい」
「首、締めるなよ」

ふざけた口調だけど、私は落ちないよう煩わせないようにしがみつく。
エレベーターのボタンを押した感覚がして手を緩めると、ふっと鼻を掠めた新さんの匂い。