放心した林田さんはその場に座り込んでしまった。
私は呆然とその場に立ち尽くすしかできない。
「兄貴、不破の手当て頼む」
「そうだね。そっちの可愛らしい泥棒猫はどうします?」
「もう二度と仕事することはないだろ」
吐き捨てるように言うと、エレベーターから警備の人たちがわらわらと出てきた。
「紡くんっ」
縋るように名前を呼ばれたのに、紡さんはやっぱり表情一つ変えなかった。
紡さんが肩を支える力を弱めたので、へなへなと腰が抜けたように座りこむ。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫か?」
駆け寄って来た二人に手を引っ張られれ立ち上がると、足が悲鳴を上げた。
「痛いっ」
「医者、呼んでくる」
新さんが内線まで走っていく中、ズキズキと痛む左足を抑える。
「まああれだけ派手に落ちれば怪我しますよ。座って」
螺旋階段のちょうど中央。
柱に隠れて廊下からは見えない場所に座ると、靴を脱がされた。
「無茶をしますね、貴方も」
「じっとしていれれなくて」
「貴方に何かあったら――どうするんですか」



