食器を下げながら、ついつい林田さんのオシャレな靴を見ていたら、トイレとは逆の方向へ向かった。
そちらは副社長室の螺旋階段がある方だった。
トレイとお皿を下げて、気になって覗くと音を立てずに螺旋階段を登って行くのが見えた。
手にスマホを持っている。
副社長室が鍵が掛っていると思うのだけれど――。
案の定、鍵はかかっていたので、諦めて降りてくる。
その林田さんと追いかけてしまった私は目がばっちりと合ってしまった。
「トイレは反対側です」
「ありがとう。オシャレな階段だから登りたくなっちゃうのよね」
涼しい顔でそう言うと何事もなかったように皆の元へ帰って行った。
「???」
一体今のは何だったのだろうか。



