嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?



「でも、やっぱガラスの靴のデザイン見たかったわよね」
「編集長、ガンガン言って下さいよ」
「ふふ。そうねえ」
撮影していたスタッフとこそこそ話しながら席に着くと、ちゃっかり紡さんの隣だった。
仕事だから仕方ないけれど。
「この前、このホテルで騒ぎ起こしたからお詫びのつもりで頼んだんだろうな。これって経費で落ちるんだろうか」
「呑気ですね、新さんは」

思いっきりスプーンでオムレツを割ると仲のチーズがとろとろと零れてきた。
全部温めてくれてるから美味しけれど、新さんは一口食べてからにやりと笑う。
「俺は茶色いお弁当の方が好きだけどな」

「――っ」
「今日はうちで何か作ってくれるんじゃないのか?」
「し、知りません。忙しいですし」
思わず立ち上がって逃げると、背中から新さんが笑っているのが分かった。
こちらは天国、視線の先は地獄。
こんなに苦しい一日は初めてかもしれない。

「ちょっとお手洗い行ってくるわ」
「場所は分かりますか?」
食後の珈琲を優雅に飲んでいた林田さんが、そう言われて振り返る。

「貴方の家よりも分かってるわよ」
「……ではもうご自由に」

乾いた笑顔の紡さんを残して、林田さんは出て行く。