撮影も終わり、紡さんと林田さんが写真をチェックして、チームの皆も周りに集まっている。
私は新さんにドライフラワーを香水瓶にいれて返すと、その手を一瞬握られた。
「っ!? ど、どうしたんですか」
びっくりして後ろへ飛び下がった私に、新さんは呆然と言う。
「今の色合いもセンスが良かった。――この手が、その眼が作ってるんだな」
まじまじと言われて、私も驚いたけどこれは褒めてくれてるってことだよね。
「新さんにそう言って頂けたら嬉しいです。ありがとうございます」
「その手に――兄貴の渡した指輪が嵌められていたと思うと面白くねえな」
ぼそっと呟くと、香水瓶をディスクに乱暴に置いた。
面白く、ない?
その言葉を反芻していると、後ろで林田さんがクスクスと笑っているのが聞こえた。
「やだ。全部意見が同じなんて、やっぱり私たち相性が良いんじゃないかしら。――色んな意味で」
あからさまなアプローチに、紡さんの方をみても眉ひとつ動かしていない。
やっぱりこんな駆け引き慣れてるのかな。
私に言った昨日のあの言葉も――慣れてるから?



