「ねえ、メインのガラスの靴のデザインは? 一番の見せ場なんだけど」
「あれは、映画側から許可がおりませんでしたよ。映画情報の解禁と同時ですね」
「ええ!? あれがなきゃ特集組んでも地味じゃない。ねー、なんとかできないの? 紡くんなら――できるでしょ?」
長い睫毛を震わせて甘く強請る姿に思わず固まる。
確かに綺麗だけど、その綺麗さも武器に使ってでもガラスの靴のデザインが見たいらしい。
「大事な資料は此処にはありませんよ、それにお楽しみは最後に取って置くものです。今日は、シンデレラではなく、義姉、魔法使い、継母のジュエリーのデザインで公開許可が下りたモノだけです」
「紡くんは一回こう言ったらもう考えを曲げてくれないものね。分かったわ。もう、酷い」
「納得頂いてこちらも嬉しいです」
「あ、紡くん、こっちのジュエリーは何のイメージ?」
今にも腕に手が巻かれ、デートではしゃぐカップルの様に見えるのはきっと私だけじゃない。



