にっこりと隙の無い笑顔で挨拶すると、すぐに紡さんの方を上目遣いで見る。
「緩奈さん、君は俺の補助に」
手招きされて近寄れば、林田さんはわたしにもにっこり営業スマイルをくれた。
「二度目まして。今日はよろしくね」
「はい。お願い致します」
ヒールの音を響かせながら私の横を通り抜けて行く。ふんわりと甘い香水の匂いが品の良さを際立てている。
白のジャケットは大きなボタンがアクセントになっていて可愛いし、ふんわりしたスカートに踵にリボンがついたヒールの靴、後ろに結んだ無造作な髪形や、淡いピンクで統一されたチークや口紅は控え目で。真面目な仕事の雰囲気の中にオシャレを詰め込んでいる。
紡さんとスタッフの机を回りながら、手書きのラフを見つけては質問をして後ろのスタッフに目配せしてメモを取る。
新さんの言っていた通り、他の雑誌よりも特別感を出したいのか群を向きたいのか――未公開のデザインばかり目敏く探しているのが分かった。



