嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?



悪魔の囁きを残して、早々と塚本さんはエレベーターを降りてしまった。
そんな敏腕編集長との仕事の補助って落ち着かないな。不安だな。
それに、昨日の駅のホームで、私は紡さんに嵌められてまるで恋人の様な雰囲気の所をばっちり見られてしまっているんだから。

一番乗りした部署内の電気を付けてカーテンを開け冷房を入れながら、中央に置かれたホワイトボートに貼られたガラスの靴のデザインを見る。

曲線の柔らかさとか、形とか素材とか、――きっと出来上がったら女の子は息を飲んで見惚れてしまうだろうな。
そんな才能の新さんを尊敬してしまう。

『新に惚れましたか?』


そう言われてしまえば、デザインには惚れた――と認めるしかない。
そもそも大体、これって根本的に無理なんじゃないかな。


社長はどちらかを好きになったら結婚してやって欲しいと言ってたけれど。

こんなに魅力的な二人がいて、恋愛経験がほぼない私が二人にあたふたしないわけがない。

二人が本気になれば、私なんていちころな訳で。


問題なのは、本気になる人物に値するのかということだけだ。