嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?



まるで私の身体を操るかのように部屋に招き入れたくせに、危険なものが何一つなかった。

「あれ、ベットがない」

「ベットは初めて来た日に寝てたでしょ? 一階にありますよ。何を期待してるんですか」

「期待!? 何も期待なんてしていません!」

あんな意味深に耳元で囁いたのはそっちだろ!、と言ってやりたい。

ベットは無かったけれど、代わりに部屋に不似合いな大型のグランドピアノが置いてあった。
どうやってドアから入れてんだろう。

ピアノとソファ、壁に埋め込まれた本棚。ソファの近くに置いてあるテーブルには眼鏡と花が飾っているだけ。

月明かりが射しこんで、淡くピアノを浮かばせているのが幻想的で綺麗だった。

「ピアノはたまに弾くだけですが、ほら、他にも楽器はどれでも弾けますよ」
クローゼットを開けて、丁寧に保管されていたヴァイオリンやスキーの板、サッカーボールやバスケットボールまである。

つまりどれもほどほど人並み以上できるという楽器やスポーツか。

「逆に苦手なものってないんですか?」