嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?




ボケた発言に、大根を投げつけたくなった。

けれど、細身だと思っていた紡さんが意外としっかり筋肉が付いていて、それをばっちり見てしまった今、胸の動悸が五月蠅い。
なり止まない動機を押さえながら、私は紡さんを睨みつける。


「つまり可愛い弟の為に私を利用したわけですよね」
「今の話でどうしてそうなるんですか」
「だって、フェアじゃないとか。完全に私は政略結婚の道具でしかないみたいな発言でした」
自分で言っておきながら思い切り凹む。
分かってる。分かってるつもりでいた。
雲の上の様な存在の二人に、私は近づきすぎたんだ。
今もきっと自分から突っこんできていて、呆れられてるし。

「私はどちらとも結婚するつもりはないです。でも、契約から正社員になって、仕事は続けますからね!」

大根を紡さんに突き刺すと、面食らったあと、クスクスと笑われた。

「大根で何を作ってくれるんですか?」
「つ、作るわけありません。私は貴方に怒っていて、傷付いてるんですからね」
「じゃあ、仕方ありませんね。ひと思いに大根で殴って下さい。死因、大根ってダイイングメッセージを書きますので」
「私の名前を書かなきゃ、それって道具しか特定できませんよ」
こんな状況でも変なことしか言わないのだから。この人って本当に大物だ。
綺麗に笑う癖に、――本心が分からなくて戸惑ってしまう。