色気なく……。
仕方ないのに。あんなに副社長室と企画室を行ったり来たり雑用を全て引き受ければバタバタ駆け下りてしまう。
「豪華に着飾った女の子たちよりも、原石って素敵じゃありませんか?」
「あ、兄貴、ちょっと待て」
ウォークインクローゼットの扉が左右に開かれたと思うと、そこには後ろを振り返り首を傾げている紡さんがいた。
お風呂上がりの上半身裸の姿で。
「き、きゃああああ」
「あれ? 何で緩奈さんが此処に」
近づいてくる紡さんは、ボクサーパンツ一枚でポタポタと髪の毛から水滴を落としていた。
「こ、来ないでくださいっ 変態!!」
「でも、タオルが取れないし。それに家に侵入してる君は変態じゃないのですか?」
右往左往している私と、何をそんなに慌ててるのかと不思議そうな紡さんの間に新さんが割り込んだ。
「ほら、兄さん、タオル。早く上、着ろよ。不破は俺が呼んだんだよ」
「ありがとう。さっき分かれたのに何をしに?」



