嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


紡さんが私の肩を引き寄せた姿を見ている。
此処からは離れているし距離もあったから、表情まではよく見えなかったけど、淡々とした無表情な気がして背筋が凍る。


「今日の会食って麻里亜さんも居たんですか!?」

「居ましたよ。林田編集長から林田麻里亜編集長に引き継ぐ為だしね」

「……今、私をはめました?」

「何のことでしょうか」

私とわざといちゃつくように肩を引き寄せたように見えた。
もしかして、この駅でわざと麻里亜さんと別れて私が来るのを待っていた?
いや、でもここに定時じゃない私が降りる時間なんて、紡さんに把握できるはずないし。


「是非とも緩奈さんの家にお邪魔したかったんですよ。廊下に土が付いたままの野菜が段ボールに入って放置してあるとか」
「放置じゃありません! 廊下が直射日光が当たらず保存に適しているんです」
「じゃあ見せて貰おうかな」
「絶対に家には入れません」
「良いじゃないか。減るものじゃないんですし。あ、別に野菜を分けて貰おうってわけじゃないですよ?」

そんなの言われなくても分かってる。
のらりくらりと笑顔で誤魔化しながら、紡さんが何を考えているのか分からない。