色々とはてなが浮かんでいたら、クスクスと笑われた。
「鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してますよ。垢ぬけない純粋な感じか可愛らしいですね」
「あの、貴方は副社長さん?」
豆鉄砲を食らいつづけているような、信じられない状況に間抜けな質問をしてしまった。
「スーツの君は、新入社員だから仕方ないかな。俺は昨日まで海外で宝石を買い付けていたからね。『TEIARA』の部署を七年前に俺が作ってから昨年から副社長を任されています。榊原 紡(さかきばら つむぐ)。以後、お見知りおきを」
「は、はい! こちらこそ宜しくお願いします」
「愚弟が失礼をしたね。何があったんですか?」
首を傾げながら聞かれて、思わず苦笑いを浮かべてしまう。
「だれかと勘違いされて追いかけ回されていまして」
「女性を間違えるなんて――失礼極まりないですね。愚弟の所業お許しください」
跪いて、片足で立っていた私の足を強引に掴んだ。
「お詫びにキスを――」
きゃー!
やっぱりキスしようとしてくるのは兄弟だ!



