私と紡さんがお揃いの指輪をしていても、何も聞いてこないし普通に接してくれる。
それに、契約社員として仕事も教えてくれるから、特別な待遇もないし、甘やかされることはない。

そんな事もあり、信頼できる人たちなんだと伺える。


「忙しいとさ、部屋がそろそろ本当に汚いんだよ。片づける端からアイツが脱ぎ棄てていくから」
「えっ 副社長がですか?」

一応、仕事中、紡さんが居ない場合は副社長呼びにしているのだけれど、新さんもややうんざりげに言う。

「すっげ綺麗好きに見えるだろうが、あの家が綺麗なのは俺のお陰だ。あいつは綺麗な時と汚い時にメリハリがありすぎる」
「ちょっとぉ、メリハリって」

他の社員がゲラゲラ笑う中、新さんだけが不機嫌だ。
本当に見た目が逆な二人で笑ってしまいそう。

「早くお嫁さん貰って別々に住めって暗示かもしれませんね」
「そうそう。兄弟で仲がよすぎるのよね、きっと」

他の人たちもソレが分かっているらしくて、また笑われていた。