当たり前の様に私の隣に座ると、出前ピザと私のお弁当を勝手に交換しながら静かにそう言った。

「え?」

「俺が助手するから。あんな事があった相手の娘だぞ。無理するな」
兄貴は何を考えているんだか、と御立腹の様子で私は頭を振る。

「私なら大丈夫ですよ。気にしないでください。今は誰も手が離せないから私が適任ですよ」
人が増えても作業も増えるので、お昼の休憩以外は本当にバタバタ慌ただしいのを私は知っていたので、一番忙しい新さんを抜けさせるわけには行かず必死で断った。

「そうそう。今、新君に抜けられたら後半がきつくなります」
「林田麻里亜ってすっげモデルみたいな美人だから俺だって代わりたいっすよ」
「でもあの人、ちょっと癖が強いから、副社長に任せた方が安全よね」

皆、各々言いながら弁当を食べ出した。
公開まで秘密が多い部署だから自然と仲間で固まって食事を取る気の置けない方達のせいかズバズバと言ってくる。